僧侶に特有の離婚問題

代表 弁護士 亀石倫子3夫婦の一方または双方が僧侶である場合、離婚をするにあたって考えなければならない特有の問題があります。
僧侶のほとんどが寺院に所属し、主な収入は葬儀や法事での収入となりますが、平均年収は600万円から700万円というデータもあるようです。なかには月収で100万円を超える方もおられるようです。
このため、離婚の際の慰謝料や財産分与などが高額になったり、財産分与が複雑になり、争いになりやすい傾向があります。

特に気をつけるべきポイントを見ていきましょう。

1.宗教法人の財産

夫婦の一方が宗教法人の代表役員をしている場合、法人と代表役員は法律上別の存在ですので、法人が所有している財産は財産分与の対象とはなりません。

ただし、代表役員個人が所有する不動産や金銭を宗教法人に貸し付けていたり、出資持分を所有していることがあります。この場合の不動産や貸付金、出資持分は代表役員個人の財産となりますので、財産分与の対象になる余地があります。

2.退職金

僧侶の場合、退職金に相当するものがないと思われている方がいるかもしれません。
しかし、宗教法人を経営している場合には、終身保険に加入している場合があります。そして、この保険に加入している場合、僧侶が引退するときに、その保険の解約返戻金を退職金に相当するものとして受け取る場合があります。

また、金銭に余裕のある寺院などでは、住職の在職時から退職給与引当金を積んでおき、退職時に退職金を支給する制度を採用しているところもあります。

さらに、そのような制度を採用していなくても、次に住職となる人が私的に金銭を用立てて、これを前住職の退職金に当てる場合もあるようです(法律上は、新住職が寺院に金銭を貸し付ける形などを取ったりしています。)。
次に住職となる人が、前住職を退任させるために金銭を支払うという点を強調して、「寺院を買う」と表現されることもあるようです。

このように、僧侶も一般の退職金に相当するような金銭を受け取る場合があり、財産分与の対象となる可能性がありますので、忘れないようにしなければなりません。

3.配偶者を雇用している場合

宗教法人を経営されている方のなかには、配偶者を責任役員や監事にしている場合があります。
その場合、離婚を理由に責任役員や監事を退任させることはできません。
ただ、配偶者としても、離婚後は責任役員や監事を退任したいと考えるかもしれません。
このような場合には、離婚協議をする際に、退任の意向を伝え、手続をしておくことをおすすめします。
また、配偶者を従業員として雇用している場合も、同じです。引き続き雇用されることを望まない場合は、十分に話し合って離婚の際に退職の手続をしてもらいましょう。

 

このように、夫婦の一方または双方が僧侶である場合、離婚にあたって考えなければならない特有の問題があります。
知らずに不利な条件で離婚することがないように、ぜひ離婚問題を専門とする当事務所にご相談ください。


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